Q1. エイズってどんな病気?
エイズとは、「HIV(ヒト免疫不全ウイルス)」の感染で引き起こされる「後天性免疫不全症候群」を略した言葉です。HIVによってからだの免疫力が低下し、その結果、健康な時には体内に入っても病気を起こさない弱い病原菌にも感染(日和見感染といいます。)して様々な症状が出た状態をいいます。感染とは、体の中にHIVが住み着いている状態をいいます。
感染して、未治療でいると、数年から10数年でエイズを発症するといわれています。感染しても長い間症状は出ないことが多くあるため、感染しているかどうかは、検査を受けないとわかりません。
HIVに感染することと、エイズを発症することとは違うことなのです。
Q2. どうやって感染するの?
HIVは、主に血液、精液、膣分泌液を介して感染します。感染力が非常に弱く、学校・職場等での日常生活では感染しません。
感染の報告は、性行為によるものが多く、肛門性交(アナルセックス)では、挿入される側(ウケ)の肛門や直腸に傷がつきやすく、挿入する側(タチ)も感染する可能性があります。
また、腸粘膜から出てくる粘液には、HIVが含まれるという報告もあります。
また、口腔性交(フェラチオ等)でも感染のリスクがあります。
Q3. 予防方法は?
性行為による感染を防ぐには、性的接触をしないという選択も考えましょう。また、挿入しなくてもフェラチオなどオーラルセックスでもHIV感染の可能性があります。HIV感染を予防するためには、コンドームを使用した安全なセックスをこころがけましょう。
血液を介しての感染を防ぐためには、血液が手や衣服などについたら流水と石鹸でよく洗い流しましょう。また、麻薬、覚醒剤など注射器の回し打ちをしない、カミソリや歯ブラシ、ピアスなど血液がつく可能性のあるものは共用しないようにしましょう。
Q4. セックスで感染するのはHIVだけ?
HIV以外にも、梅毒、淋病、性器クラミジア感染症などセックスで感染する病気〔性感染症(STI)〕がいくつかあります。性感染症のなかには、コンドームを使用しても予防できない病気もあります。
最近、若者の間で梅毒をはじめとするSTIが増加しています。STIにかかっているとHIVに感染する確率が高くなります。
STIについて詳しく知りたい方は、「性感染症(STI)ってどんな病気?」をご覧ください。
Q5. 検査や相談はどこでできるの?
HIV検査は、HIVに対する抗体等の有無を調べる検査で「保健所(保健センター)」と「東京都新宿東口検査・相談室」、「東京都多摩地域検査・相談室」で匿名・無料で行っています。
また、多くの保健所では、HIV検査と同時に希望者には他の性感染症検査も実施しています。
Q6. 検査は行為があってからどれくらいでできるの?
HIV抗体ができるまで、多くの場合6週間から8週間かかると言われています。ただし、感染の有無を正しく判断するためには、感染が心配される機会があった日から60日以上経って検査を受けてください。
検査方法によって、感染機会があってから90日以上としている保健所もありますので必ずお問い合わせください。
Q7. その日のうちに結果がでる検査もあるの?
即日(迅速)検査法といって、結果が(陰性の場合)その日にわかる検査方法もありますが、判定保留となる割合が通常の検査法に比べて高くなります。判定保留になった場合は、確認検査を行いますので、結果は後日お知らせします。
※感染機会があってから90日以上経ってから検査を受けてください。
※体質によっては、判定保留になりやすいことがあります。
Q8. もし、感染していたら?
まず、告知を受けた医師と相談しましょう。
HIV感染症を完全に治す薬はまだ開発されていませんが、複数の薬を組み合わせて服用することや、日和見感染症の予防方法の進歩で、エイズの発症を抑えながら、感染する前とほぼ同じように生活することができます。
早期発見ができると、医療機関で定期的に経過をみながら、適切な時期に服薬治療を開始することができます。
多くのHIV陽性者が、治療を受けながら社会で活躍しています。
医療機関、NGO・NPOや保健所などの相談機関では相談・カウンセリングを受けることができます。また、身体障害者手帳の交付を受ければ、障害の等級に応じて、税制上の優遇措置や、福祉サービスが受けられます。
そして、一人で悩まず、あなたが信頼できる身近な人に相談してください。
Q9. 相談できる場所はありますか?
東京都では、月~金の正午~午後9時、土・日・祝日午後2時~午後5時に電話相談を実施しています。
東京都HIV/エイズ電話相談 03-3227-3335
※保健所相談は随時行っております。また、東京には、感染不安に対する相談活動、感染者を支援する民間団体もあります。
Q10. 今、私たちにできることは何ですか?
予防をこころがけましょう。感染が心配な人は検査を受けましょう。
HIVに感染している人は、決して特別な人ではありません。しかし、エイズ患者・HIV感染者に対する差別・偏見がいまだに存在しており、このことは、感染した人たちが生活していくうえで、大きな障害になっています。私たち、一人ひとりの心の中の、そして社会の中の差別・偏見がなくなるよう、正しい知識を身につけましょう。
また、東京には、普及啓発活動や相談活動、感染者を支援する民間団体もあります。身近な問題として、できることから始めましょう。